- 反復帝王切開 -

帝王切開の理由別体験談

ももこまちさん

お住まい  香川県
帝王切開の回数  2回
出産地  岡山県・香川県
出産年齢  30代
子の生年月  2006.12/2010.7
産院(総合・個人)  総合

二人目を予定帝王切開にて無事出産しました。なんと今回のお産は帝王切開での立会い出産をしました。

貴重な経験だったので体験談を書かせていただきますね。

 

二人目を妊娠したのが分かったのは去年の11月でした。

初期流産をした後の妊娠だったのでとても喜んだのですが、やはり出産方法が心の奥底で引っかかっていました。

娘を出産した3年前の恐怖が頭の中でよみがえりました。

緊急帝王切開で説明が不十分なままで、全身麻酔をされて、産んだ後も娘とすぐに引き離されてしまいました。

挙句の果て医療関係者からの「お腹を切ったあなたがお産を語らないで。」等の心無い一言で私は産後うつからうつ病になってしまい心療内科にも通っていたからです。

 

二人目を妊娠する前に私は何としてでもVBACがしたいと思い、車(高速道路)で1時間もかかる大学病院に通いVBACの情報を集めていました。そして「絶対にVBACするぞ!」と決めていました。

しかし、実際妊娠してみると、みんな不安になったのか、夫、私の母、義父母、友人はVBACに反対しました。

みんなの意見は「安全に産んであげた方が良い。」でした。

妊娠中に病気も出たり、VBACを考えていたけれど妊娠中期からずっとお腹の赤ちゃんは逆子だったので今思うと、赤ちゃんが「安全に産んで欲しい!」とお腹の中で逆子になって訴えかけていたのかもしれません。

 

私自身も流産をした時に「早期に帝王切開になっても良いから流産だけはしないで」と自然に思っていました。

そして私には死産した兄がいたことを思い出し、あれだけ「絶対にVBACでなきゃ産まない!」と言っていた私が予定帝王切開をすると決めたのです。とは言っても前回の出産がトラウマとなっていたので、今回お世話になる産婦人科で色々と質問をしてバースプランを立てました。

(前回は里帰り出産でしたが、今回は地元の病院です。)

 

その結果、できるだけ私の満足のいく方法でお産をしましょう。と言う方向になり、その日を迎える事になりました。

 

「7月5日に予定帝王切開をしましょう。だんなさんの立会いOKですよ。

術中にかける音楽も希望があれば持参してください。撮影も邪魔にならなければいいですよ。カンガルーケアも少しの時間なら出来ます。」

こうして7月4日に入院をすることになりました。

前日は緊張して眠れないのかなと思いましたが、何とか眠れました。

 

そして、手術当日。点滴をして処置をし、いよいよ手術室へ。

私が希望したオルゴールバージョンのミスチルの曲が流れていました。

今回の出産で使う麻酔は腰椎麻酔+硬膜外麻酔だったので麻酔が結構恐怖でした。(小5の時の腰椎麻酔がかなり痛かった為!)

怖くて麻酔を打つ時に看護師さんにしがみ付いていました。

(さらに自分の指まで噛んでいました笑)でも、案ずるより産むが安し。

麻酔は全然痛くありませんでした。手の甲にした点滴の方が痛かったです。

そして夫がビデオカメラを持って入室。夫は術中、私の手を握ってくれました。

「ママ、頑張ってな。」

「うん。大丈夫。ありがとう。」

「麻酔は痛くなかった?」

「怖かったけど痛くなかった。麻酔科の先生に「あなたは痛みに強いですよ。」って言われちゃった。」

 

そしてオペ開始。酸素マスクをした私の横で小児科の先生が詳しく教えてくれました。

「今ねメスが入っているから変な感じでしょ?」切られている感じがはっきり分かります。

「もうすぐ赤ちゃんが出てくるからね。頑張ろうね」と励まされて、夫からも「ママ、もうちょっとで会えるよ。」と言われてドキドキしながらライトを見つめていました。(ライトに写っていたんですね。お腹を切っている所が)

そして、ぐいぐいっと引っ張り出される感じがして、ボコッと出たと思ったら「ふぎゃ、ぎゃー」と言う産声が響き渡りました。

 

「おめでとうございます。14時07分、元気な男の子ですよ。」

産まれた!泣いている、これが産声なんだ!産声が聞こえる!嬉しくて号泣してしまいました。

目の前には血のついた綺麗なピンク色の肌の赤ちゃんがいました。

出てきてすぐなので、ちょっとだけ私に見せる感じでしたが嬉しかったです。

娘の時には出来なかった事が今出来た。

目の前には産声を上げる息子の姿。もう嬉しくて感動しました。

 

その時確信しました。「帝王切開でも立派な出産だ!」と。

へその緒と胎盤も少し見えました。へその緒は綺麗なミルク色だったのでちょっと意外で驚きました。

胎盤は大きなレバーの様でした。

側で撮影している夫の手が震えていました。とても感動した様です。

しばらくして綺麗になった息子とご対面。カンガルーケアと授乳もしました。

授乳と言ってもくわえさせるだけですが、それが出来ただけでも十分満足でした。

 

数分の事ですが、あの温もりと重みは一生忘れません。

お腹を縫合している時も担当の先生が「本当に良かったですね。」と笑顔で声をかけてくださったことも嬉しかったです。

 

みんなのおかげで私は心の傷になってしまった「帝王切開=お産じゃない」のイメージを「帝王切開=素敵で立派なお産」にする事が出来ました。

病院の先生方、看護師、スタッフの方々には本当に感謝しています。

精神面でも今は全然違います。ある意味今回のお産で私はトラウマから脱出する事が出来たんだと思います。

VBACが出来なかった事が辛いと思わなくなりました。

なぜなら帝王切開でもとっても素敵なお産が出来たからです。

 

今帝王切開で悩んでいる人、過去に辛い経験をした方に言いたいのですが、まずは病院探しを慎重にしてみてください。情報を入手しましょう。

私は電話でいろんな産婦人科に聞いてみました。そして自分のバースプランを出来るだけ実現できる病院を選びました。

私のようなバースプランが出来る病院は珍しいかもしれませんが、聞かないよりは聞いたほうが絶対に納得できる、

満足のいくお産が出来ると思います。絶対に諦めないで。

そして私が今回思った事をこれから帝王切開に臨む方に贈りたいです。

 

「昔は「お国の為」と切腹をする人がいましたが、

今の時代に人の為に腹を切れるのは母親しかいません。

だから帝王切開に誇りを持って欲しい。」



たまごさん

お住まい  愛知県
帝王切開の回数  4回
出産地  愛知県小牧市
出産年齢  20代
子の生年月

 2005.1/2006.5

 2007.4/2008.5

産院(総合・個人)  総合

春に4回目の帝王切開をしました。

前回が双胎で、早産・子宮の状態もよくなかったので、医師から最悪の事態も覚悟するようにと言われていましたが、

何事もなく正産期まで過ごし、3日後に手術!というときに陣発してしまいました。

とにかく痛みが強く歩けない状態で、すぐ病院に連絡して準備をしたのですが、今度は出血が始まってしまいました。

頭の中は『子宮破裂』『母子ともに死亡』のことでいっぱいになり、恐怖しかなかったです。

病院から救急車で来なさいと指示されすぐに来てもらったのですが、体は震えっぱなし、陣痛の波が来るたび『死にたくない』と口にしていました。

病院に着き、診察を受けているときも陣痛はやってきて、3分間隔、子宮口は柔らかく3cm、当直の先生が産科部長に指示を仰ぎ始めました。

 

とりあえず赤ちゃんに異常はなくとても元気、夜中でスタッフがいないので手術は避けたい、張り止めで様子を見て治まりそうなら経過観察、駄目なら緊急手術ということになり、陣痛室に移動して手術の準備と注射をしてもらいました。

しばらくは薬が効いて笑えるほどになったのですが、長くは続かず朝まで定期的に注射を繰り返し、午前7時頃出勤してきた主治医から緊急手術決定の旨を伝えられ、ストレッチャーで手術室に向かいました。

 

私は元々麻酔が効きにくいらしく、過去3回の手術も全身麻酔でした。

いまさら意識がある中でなんて怖い、と主治医に話したら最初から全麻で行こうかということになり、『麻酔が入ります』と言う麻酔科医の声を聞き、同時に『あとで会おうね』と心の中で思いながら意識がなくなりました。

気付いたときは既に病室で、副作用の吐き気と貧血のめまいが酷く意識が朦朧としていて、喋るのも辛かったです。

 

その後は順調に回復し、術後5日で退院しました。

今回の出産で、お産に安全とか絶対大丈夫は無いと強く思いました。

順調だったのに突然急変したりはあり得ることなんだと。

出産=何もなく無事なのが当たり前と思っていた自分が恥ずかしいです。

 

突然の急変でも受け入れ先が見つからなく、母体死亡という悲しいニュースがありますが、私は運がよかっただけで明日はわが身。

生かされていることにただただ感謝です。